論理的思考を考えよう

愛媛県宇和島市のパソコンおよびプログラミング教室の代表松井です。
小中・高等学校の授業にプログラミングが導入されて、「論理的思考」と「プログラミング思考」という言葉をよく耳にするようになったと思います。
そこで勘違いされている方が多いようなのですが、論理的思考は決してプログラミングの書き方、パソコンの使い方を表しているものではありません。
簡単に言うと「ものごとを曖昧に考えず、しっかり考える力」です。
もう少し詳しく言うと、以下のような感じですかね。
現状を把握し、問題の本質を見抜く。
その問題を解決するための具体的手順を考える。
その手順を矛盾の無いように仕組化(言語化)する。
少しわかりづらい表現だったと思いますので、実際に論理的思考を使って問題を解きながら、論理的思考とは何かを考えてみましょう。
小中・高等学校の授業にプログラミングが導入されて、「論理的思考」と「プログラミング思考」という言葉をよく耳にするようになったと思います。
そこで勘違いされている方が多いようなのですが、論理的思考は決してプログラミングの書き方、パソコンの使い方を表しているものではありません。
簡単に言うと「ものごとを曖昧に考えず、しっかり考える力」です。
もう少し詳しく言うと、以下のような感じですかね。
現状を把握し、問題の本質を見抜く。
その問題を解決するための具体的手順を考える。
その手順を矛盾の無いように仕組化(言語化)する。
少しわかりづらい表現だったと思いますので、実際に論理的思考を使って問題を解きながら、論理的思考とは何かを考えてみましょう。
問題
3人1組で参加する企業対抗プログラミングコンテストが開催されました。
株式会社Z社からは、Aさん,Bさん,Cさんの3名が出場しました。コンテストは個人戦で全員に順位が付きます。同率順位になることはありません。
コンテスト終了後、Z社メンバーの順位に関するコメントは以下の通りです。
Aさん:自分は全参加者のちょうど真ん中の順位だった
Bさん:自分は18位でAさんよりは下の順位だった
Cさん:自分は29位だった
では、このコンテストに参加した企業数は何社でしょう?
株式会社Z社からは、Aさん,Bさん,Cさんの3名が出場しました。コンテストは個人戦で全員に順位が付きます。同率順位になることはありません。
コンテスト終了後、Z社メンバーの順位に関するコメントは以下の通りです。
Aさん:自分は全参加者のちょうど真ん中の順位だった
Bさん:自分は18位でAさんよりは下の順位だった
Cさん:自分は29位だった
では、このコンテストに参加した企業数は何社でしょう?
問題を解くポイントは
最後に出てきた問題が、企業数は何社でしょうとなっていて、戸惑った方が多いのではないでしょうか。
しっかりと順番に考えていくと答えが見えてきます。
まず着目するのは、Aさんのコメントですね。
「全参加者のちょうど真ん中の順位」と言ってます。
ということは、Aさんの順位がわかれば、全参加人数がわかり、全参加人数より参加企業数がわかります。
ということで、この問題のポイントは、Aさんの順位を考えながら、参加企業数を求めると言っていいでしょう。
しっかりと順番に考えていくと答えが見えてきます。
まず着目するのは、Aさんのコメントですね。
「全参加者のちょうど真ん中の順位」と言ってます。
ということは、Aさんの順位がわかれば、全参加人数がわかり、全参加人数より参加企業数がわかります。
ということで、この問題のポイントは、Aさんの順位を考えながら、参加企業数を求めると言っていいでしょう。
真ん中の順位
Aさんのコメントをもう少し掘り下げていきましょう。
「ちょうど真ん中の順位」と言っています。では
〇〇〇〇〇のちょうど真ん中はどこですか?
〇〇●〇〇
●の位置がちょうど真ん中と言えるでしょう。
〇〇〇〇ではどうですか?ちょうど真ん中はどこですか?
この場合、ちょうど真ん中と言える位置に〇はないと言えるでしょう。
つまり、ちょうど真ん中と言える順位が存在するのは、全参加者が奇数の時でしょう。
少しだけ、絞り込むことができました。
「ちょうど真ん中の順位」と言っています。では
〇〇〇〇〇のちょうど真ん中はどこですか?
〇〇●〇〇
●の位置がちょうど真ん中と言えるでしょう。
〇〇〇〇ではどうですか?ちょうど真ん中はどこですか?
この場合、ちょうど真ん中と言える位置に〇はないと言えるでしょう。
つまり、ちょうど真ん中と言える順位が存在するのは、全参加者が奇数の時でしょう。
少しだけ、絞り込むことができました。
Cさんは29位だった
次にCさんのコメントに着目してみましょう。Cさんは29位だったとコメントしています。
Cさんの29位が存在するということは、全参加者数は29以上です。
加えて Aさんの“ちょうど真ん中” の条件から、全参加者数は 奇数 であり、
さらに3人1組で参加しなければならないことから、全参加者数は3の倍数でなければなりません。これらを満たす最小の数が33です。
どんどん絞り込みができてきましたね。
Cさんの29位が存在するということは、全参加者数は29以上です。
加えて Aさんの“ちょうど真ん中” の条件から、全参加者数は 奇数 であり、
さらに3人1組で参加しなければならないことから、全参加者数は3の倍数でなければなりません。これらを満たす最小の数が33です。
どんどん絞り込みができてきましたね。
Bさんの順位より真ん中より下
最後にBさんのコメントを考えてみましょう。
Bさんは18位でAさんより下の順位です。
まず、Aさんより下の順位のところだけ考えると、Aさんが真ん中の順位なので、Bさんは真ん中より下になることがわかります。
Bさんは18位です。Bさんより上の順位の人は17人います。
さらに、Bさんは真ん中より下なので、Bさんより下の順位には17人以上はいないことがわかります。
ということは、18(Bさんの順位)+ 16人の34人が、Bさんのコメントからわかる最大の参加人数です。さらに、これより先にわかった条件である、3の倍数で奇数でなければならないという条件より、最大の参加人数は33人になります。
Bさんは18位でAさんより下の順位です。
まず、Aさんより下の順位のところだけ考えると、Aさんが真ん中の順位なので、Bさんは真ん中より下になることがわかります。
Bさんは18位です。Bさんより上の順位の人は17人います。
さらに、Bさんは真ん中より下なので、Bさんより下の順位には17人以上はいないことがわかります。
ということは、18(Bさんの順位)+ 16人の34人が、Bさんのコメントからわかる最大の参加人数です。さらに、これより先にわかった条件である、3の倍数で奇数でなければならないという条件より、最大の参加人数は33人になります。
全員のコメントをまとめると
以上の内容をまとめると。
全参加人数は33人であることがわかりました。
3人1組で参加するので、33を3で割った、11が参加企業ということになります。
答えを聞いてみると意外と簡単だと思われたのではないですか?
ポイント(本質)をつかみ、それを解決するための具体的手順を考え、一連の流れを文章にまとめるところ(言語化)まで考え、一見、関係性がないように見えるところから、問題を解くことができました。
全参加人数は33人であることがわかりました。
3人1組で参加するので、33を3で割った、11が参加企業ということになります。
答えを聞いてみると意外と簡単だと思われたのではないですか?
ポイント(本質)をつかみ、それを解決するための具体的手順を考え、一連の流れを文章にまとめるところ(言語化)まで考え、一見、関係性がないように見えるところから、問題を解くことができました。
論理的思考を通して身につくスキル
論理的思考を身に付けていくことで、鍛えることができるスキルには以下のようなものがあると思います。
バイアス(思い込み)とは、
記述されていない前提を勝手に想定してしまうことです。
今回のような論理的問題では、例えば、Cさんの順位は最下位なんじゃないかと、まったく問題文からは想定できないようなことを勝手に決めつけてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こうした思い込みを排除する力がバイアスを避ける力です。
プログラミングレッスンは、常にこのような論理的思考を使い、抽象化(まとめる力)と具体化を行き来しながら問題を解いていきます。
そして、そこで身につけた論理的思考は、将来様々な分野で役立つことだと思います。
論理的思考問題を解くことで、学習が楽しくなったという児童・生徒もいます。学習習慣を身に付けるのにもいいかもしれませんね。
是非とも、早いうちから論理的思考は身に付けていきたいですね。
- 読解力
- 言語化能力
- 集中力・忍耐力
- バイアスに陥らない力
バイアス(思い込み)とは、
記述されていない前提を勝手に想定してしまうことです。
今回のような論理的問題では、例えば、Cさんの順位は最下位なんじゃないかと、まったく問題文からは想定できないようなことを勝手に決めつけてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こうした思い込みを排除する力がバイアスを避ける力です。
プログラミングレッスンは、常にこのような論理的思考を使い、抽象化(まとめる力)と具体化を行き来しながら問題を解いていきます。
そして、そこで身につけた論理的思考は、将来様々な分野で役立つことだと思います。
論理的思考問題を解くことで、学習が楽しくなったという児童・生徒もいます。学習習慣を身に付けるのにもいいかもしれませんね。
是非とも、早いうちから論理的思考は身に付けていきたいですね。